【はじめに】
1985年に第1作が公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future) は、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ロバート・ゼメキス監督によるSFコメディの金字塔です。マイケル・J・フォックスが演じる主人公マーティと、クリストファー・ロイドが演じるドク・ブラウンのコンビが時空を超えて活躍する姿は、公開から数十年経った今でも多くのファンを魅了し続けています。
この記事では、そんな伝説的シリーズの裏話やファンなら押さえておきたいトリビアを50個取り上げました。作品を深く楽しむための一助となれば嬉しいです。
【小ネタ1~10】
- 当初のタイムマシンは冷蔵庫だった!?
脚本初期段階では、タイムマシンは冷蔵庫のような装置として描かれていました。しかし子どもが真似をして冷蔵庫に閉じこもる事故を懸念し、車ベースに変更されたと言われています。 - デロリアンが選ばれた理由
タイムマシンのベースにデロリアン(DMC-12)が選ばれたのは、その近未来的なデザインが「UFOと間違えられるかもしれない」というアイデアに合致したため。ステンレス製のボディが作品のSF感を高めています。 - 主演交代のドラマ
主人公マーティ役は当初エリック・ストルツが撮影に参加していましたが、演技のトーンがどうしても作品のコメディ色に合わず、途中降板に。代わりにテレビドラマ『ファミリータイズ』に出演中だったマイケル・J・フォックスが大抜擢されました。 - マイケル・J・フォックスの二重撮影スケジュール
マーティ役に抜擢されたマイケル・J・フォックスは、ドラマの撮影と並行して映画の撮影を行うという超多忙スケジュールに。日中はドラマ、夜間は映画という生活を数か月続けたそうです。 - パーキングメーターを壊すシーンの名残
エリック・ストルツ版の撮影で使われていたシーンの一部が、本編にも流用されている可能性があります。特にパーキングメーターを壊すシーンではストルツの姿がちらりと映るのでは、とファンの間で議論されています。 - 監督ロバート・ゼメキスと脚本ボブ・ゲイルの深い絆
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の脚本を手掛けたボブ・ゲイルとゼメキス監督は映画学校時代からの盟友。彼らの共同作業によって、細部まで練られた物語構成が生まれました。 - スピルバーグの製作総指揮とユニバーサル・ピクチャーズ
スティーヴン・スピルバーグは当時すでに『E.T.』や『インディ・ジョーンズ』シリーズを世に送り出したヒットメーカー。彼の後押しがあったからこそ、ユニバーサルでの製作がスムーズに進んだと言われます。 - 舞台設定はカリフォルニアではなくオハイオが案にあった
当初は架空の町「ヒルバレー」をオハイオ州に設定する案もありました。しかし撮影やプロダクションの都合で、最終的に「カリフォルニアっぽい町」というイメージに落ち着いたとのこと。 - 印象的な時計台のセット
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を象徴するヒルバレーの「時計台」は、ユニバーサルのスタジオ敷地内にある「コートハウス・スクエア」という撮影セット。多くの映画やドラマで流用されています。 - 撮影時は本当の雷ではなく特殊効果
雷が時計台に落ちるクライマックスシーンはスタジオセットで撮影され、光や火花を加える特殊効果で実現。リアリティを追求するために何度もテスト撮影を行ったといいます。
【小ネタ11~20】
- 劇中に散りばめられた映画のオマージュ
1950年代シーンで流れるラジオ放送や、町の掲示板にはさりげなく過去の映画や音楽に絡む小ネタが多数仕込まれています。探してみると意外な発見があるかもしれません。 - 架空バンド「ピニーズ・プレイボーイズ」
1955年で開催される「エンチャントメント・アンダー・ザ・シー・ダンス」に登場するバンドは、脚本家ボブ・ゲイルの友人たちの名前をもじって付けられたとか。気になる人はエンドロールでチェックしてみてください。 - ポスターや新聞の記事にも秘密が
マーティが過去に行った際に目にする新聞記事の見出しは、後のストーリーを暗示する伏線になっています。スクリーン上では一瞬なので、DVDやBlu-rayで停止して読むと楽しい発見が多いです。 - マーティの母親役ロレインを演じたリー・トンプソンの配役秘話
すでに数本の出演作があったリー・トンプソンですが、この作品が代表作となりました。母親役として少女時代から老け役まで演じ分ける技術力を見せ、シリーズを通して存在感を放ちました。 - 名台詞「Great Scott!」の由来
ドクが驚いた時に発する「Great Scott!」は、実在のアメリカ軍将校“ウィンフィールド・スコット”の名前に由来する口癖と言われています。19世紀から使われる驚きの感嘆表現の一つです。 - ドクの発明品は他作品へのオマージュも
ドクが作り出す奇妙な発明品の数々には、古典SF映画やコミックのアイデアへのオマージュが含まれています。特にFlash GordonやMetropolisといった作品から影響を受けたと言われています。 - ラジオ番組から映画のきっかけ!?
ボブ・ゲイルは、ある深夜ラジオ番組でタイムトラベルの話題を聞いたのがきっかけで脚本のヒントを得たそうです。その番組では「もし過去に戻れたら何をする?」というリスナーからの投稿を紹介していました。 - プロデューサーが恐れたタイトル変更案
ユニバーサルの幹部であるシド・シャインバーグは、当初「宇宙人が来た!」(Spaceman from Pluto)というタイトルを提案したという都市伝説があります。これはあまりに作品内容とかけ離れたため、スタッフたちは難色を示し続けたとか。 - 劇中の小道具の緻密さ
マーティが1955年の高校で会う若き日の父ジョージの小物や、校内で張り出されているポスターのデザインなどは、当時の文化を細部まで再現しようと時代考証を重ねて作られました。 - ビフ役のトーマス・F・ウィルソンのアドリブ
大柄ないじめっ子ビフを演じたトーマス・F・ウィルソンのセリフにはアドリブも多く含まれているそうです。特に「Butthead!(まぬけ)」と呼ぶシーンはインパクト大で、多くのファンに刻まれています。
【小ネタ21~30】
- アインシュタイン役の犬は2匹の犬が交互に演じた
ドクの飼い犬アインシュタインは、実は2匹のシェパード犬が役割を分担して演じています。動物出演のシーン撮影は時間制限があるため、こうした手法は珍しくありません。 - タイムトラベルの設定は当初もっと複雑だった
脚本初期ではタイムトラベルの仕組みや手順がより複雑に描かれていたものの、観客に理解しやすい形へと改訂されました。その簡略化が功を奏し、テンポの良いストーリー運びが実現しています。 - マイケル・J・フォックスのギター演奏
劇中でマーティが披露するギター演奏は一部吹き替えやプロの手を借りていますが、マイケル・J・フォックス自身も相当練習を積んだそうです。ギターを構える姿だけでも十分様になっています。 - パート2とパート3は同時撮影
続編のパート2とパート3は、ある程度並行して撮影が進められました。監督のゼメキスは「長大な一つの物語を2本の映画に分けた」という感覚でいたと言います。 - パート2に登場する「未来の指紋認証」
パート2の2015年シーンでは、指紋認証で玄関ドアを開ける描写があります。現代で普及しつつある生体認証技術を先取りしており、改めて映画の先見性がうかがえます。 - ホバーボードは本物?
パート2でマーティが乗るホバーボードはファンの憧れ。撮影時はワイヤーで吊るして再現し、実物は存在しないとされていますが、一部のファンは「実際に開発中だった」との噂を信じてやみません。 - 「ジョーズ19」への自己パロディ
パート2に登場するホロ・シアターの看板映画「ジョーズ19」は、スピルバーグの大ヒット作『ジョーズ』シリーズのパロディ。仰々しく「Directed by Max Spielberg(スピルバーグの子ども!?)」と表示されるのもネタの一つです。 - パート2のレトロ・ファッション
2015年が舞台のはずなのに、若干レトロ感漂うファッションは1980年代後期の流行を反映しているとよく指摘されます。作品中の未来は、あくまでも「80年代目線の未来観」だということですね。 - パート2でのキャスト再登板の苦労
主人公のマーティをはじめ、多くのキャストがメイクや特殊効果を駆使して老け役・若役を演じ分けました。撮影当時の技術としてはかなり最先端で、メイク時間も相当長かったといいます。 - パート2でビフが手に入れたスポーツ年鑑
ビフが未来のスポーツ年鑑を使って大金を稼ぐ展開は、時間改変による「もう一つの1985年」を生み出しました。この筋書きは多くのSF作品に影響を与えたとされ、物語のスリルが格段に上がっています。
【小ネタ31~40】
- パート3の舞台は西部開拓時代
パート3で一転、西部劇の世界に飛ぶ展開は当時大きな話題に。監督のロバート・ゼメキスはジョン・フォードやセルジオ・レオーネの西部劇へのオマージュとして、西部開拓時代の要素をふんだんに取り入れたと語っています。 - 機関車がタイムマシンになる発想
最終章のパート3では、壊れてしまったデロリアンの代わりに機関車を使ってタイムスリップを試みます。「大型の動力源をどうやって手に入れるか?」というシナリオ上の難題に対する斬新な解決策でした。 - クララ・クレイトン役のメアリー・スティーンバージェン
ドクが恋に落ちるクララ役を演じたのはアカデミー賞女優のメアリー・スティーンバージェン。彼女は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』などにも出演経験があり、その演技力で作品に深みを与えています。 - ビフの先祖「マッド・ドッグ」タネン
パート3で登場するタネン一家の先祖「マッド・ドッグ」は、ビフ役のトーマス・F・ウィルソンが再び演じており、完全な悪党としてマーティたちを苦しめます。キャラクターの血統的な因縁が強調されています。 - トム・ウィルソンはコメディアンでもある
ビフやマッド・ドッグを演じたトーマス・F・ウィルソンは、実はスタンダップ・コメディアンとしても活動。自身のステージで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影秘話をユーモアたっぷりに語ることもあります。 - ジュールとヴェルヌの名前の由来
ドクとクララの息子たちの名前は、SF作家のジュール・ヴェルヌへのオマージュ。「地底旅行」や「80日間世界一周」などで知られる“SFの父”から取ったものです。 - パート3の荒野シーン撮影地
西部の荒野シーンの撮影地はユタ州やアリゾナ州など複数候補がありましたが、最終的にはカリフォルニア州にある映画用の西部セットを中心に撮影が行われました。本物の野外ロケとセットが巧みに組み合わされています。 - 過去作とのリンク
パート3にもパート1やパート2の細かいオマージュが仕込まれています。たとえば時計台の前に到着するシーンや、あの「時計」を運ぶ構図など、ファンならニヤリとする演出が満載です。 - 予告編で流されなかったエンディングの機関車
劇場公開前のトレーラーでは、ドクの改造した機関車タイムマシンを意図的に隠していました。クライマックスのサプライズを守るため、あえて情報を開示しなかったそうです。 - シリーズを完結させるための苦心
ゼメキス監督やボブ・ゲイルは当初から「3部作完結」を構想しており、パート3の制作にあたり物語をどう締めくくるかを慎重に検討しました。最終的にドクが新たな家族とともに旅立つラストシーンは、多くのファンに感動を与えました。
【小ネタ41~50】
- 主題歌「パワー・オブ・ラブ」
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「The Power of Love」は第1作目のメインテーマのような扱いで、多くの観客にとって『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といえばこの曲を連想するほどに定着しています。 - ヒューイ・ルイスのカメオ出演
マーティがオーディションを受けるシーンで、審査員の一人が「音が大きすぎる」と言う場面がありますが、実はあの人物こそヒューイ・ルイス本人。ファンなら見逃せないカメオ出演です。 - シルベスター・スタローンへのオマージュ
パート2の2015年未来シーンには「ロッキー」シリーズを意識したホログラム広告が存在するという噂があります。実際には判別が難しいですが、ファンの間では都市伝説的に語られています。 - ロバート・ゼメキスのカメオ出演
ゼメキス監督自身は作品内ではっきり姿を見せてはいませんが、声のみ、または写真の一部といった形で極端に小さなカメオ出演をしているという説があります。確証は薄いですが、ファンが画面を隅々まで探しています。 - シリーズを通しての「自分探し」要素
コメディタッチで描かれる本作ですが、実はマーティとジョージ(父)の関係や、ドクが科学への情熱を見いだす過程など、人間の成長とアイデンティティ探索のテーマが軸になっています。 - ティーンエイジャーの心を掴んだ要因
タイムトラベルというSF要素と、学園コメディ的なノリが合わさったことで、ティーンエイジャーの間で「自分たちの物語」として強く支持されました。マーティがギターを弾く姿はまさに若者の憧れ像だったのです。 - ビフの口癖「Hello? Hello? Anybody home!?」
ビフがジョージやマーティに嫌味を言う時にドアをノックするように頭をコンコンと叩く仕草は多くのファンに印象的。吹き替え版では「もしもーし、聞こえてるー?」といったセリフが使われています。 - ドクのヘアスタイルの秘密
ドクの逆立った白髪は、クリストファー・ロイドが舞台俳優時代に培った「髪を立ててインパクトを与える」演技が元になっています。ベースとなったのはアインシュタインの風貌だとか。 - 続編に関して監督は難色
ゼメキス監督とボブ・ゲイルは、パート4以降の新作映画やリメイクには否定的。彼らは「マイケル・J・フォックス以外のマーティは想像できない」という考えを一貫して示しています。 - 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ミュージカル化
2020年代に入り、舞台ミュージカル版の製作が実現。ロンドンのウエストエンドやブロードウェイで上演され、原作映画の名場面を歌とダンスで再現する試みとして好評を博しています。
【まとめ】
以上、合計50個の小ネタを見てきました。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、SF要素やコメディ要素だけでなく、青春映画や家族ドラマとしての要素も詰まったエンターテインメント作品です。時代背景や各キャラクターの設定が精緻に作りこまれているからこそ、公開から数十年経った今も新たな発見が尽きません。
もしまだ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを観ていない方がいましたら、ぜひこれを機に第1作から順番に視聴してみてください。今回紹介した小ネタを意識すると、さらに深く作品を楽しめるはずです。長年愛され続ける本シリーズの魅力が、皆さんにより広がりますように。ぜひタイムマシンに乗った気持ちで、ヒルバレーの冒険へ出かけてみてください!