南熱海在住で「ライフスタイルを提案する不動産業」を営む中屋香織さんの主催で、「熱海に家を買う時の『この土地大丈夫なのかな~』という不安をなくしたら、家探しがもっと楽しくなる」をテーマにまち歩きが行われました。
熱海地形まち歩き~地形専門家と歩こう~
Facebookで直前の募集でしたが、あっという間に定員に達していました。こちらが案内の概要です。参加してきました。
・熱海の地形の成り立ち
・明治期頃からの街の拡大
・地形から見た災害リスク
・家を建てる買うときにどこに注意すればいいか? など。
◆コース:丹那トンネルの熱海坑口や水力発電所跡、初川流域の断層地形を経由して熱海銀座まで。
◆定員:8名
◆講師:地質地形専門家2名 田中義朗氏・伊藤允彦氏
地質・地形の専門家が2名も同行するという贅沢なツアーになってます。
来宮駅前集合
今回の大きなテーマ「丹那トンネル」をめぐるまち歩きということで、熱海駅から伊東線で一つ目の駅「来宮駅」に、13時15分に集合でした。
熱海の急勾配の坂道を歩くので、みなさんリュックにスニーカーで歩きやすい格好で参加。地質地形専門家の田中義朗氏・伊藤允彦氏の挨拶の後、10名の団体が、来宮神社から梅園に向けて歩きだします。
どうしても細長い列になってしまいますが、前後に専門家の方がいらっしゃったので両方から話しながらのツアーになりました。参加者の中に、不動産関係の人などもいらして、単に地形だけの話におちつかず、建物や地形改良の話などにも飛んで面白い展開に。
梅園に行く前に来宮駅からほど近い、丹那トンネルと丹那神社へ向かいました。過去のブログ記事で「丹那トンネル」について書いています。
日本一の急傾斜の町・熱海
熱海は日本で一番急傾斜がある町なのです。確かに、どこを歩いても、坂、坂、坂。財団法人 日本開発構想研究所の調べによると、傾斜度20%以上の斜面宅地の人口集中地区面積割合の日本一です。50%ちかくが急傾斜です。ちなみに第二位は、熱海のすぐお隣の真鶴町です。傾斜度15%での割合を見ると、真鶴が日本一になっています。
参考資料:「日本の斜面都市」財)日本開発構想研究所 研究主幹 西沢明
熱海梅園へ
丹那トンネルを上から見学した後は、熱海梅園へ。1月から3月まで「熱海梅祭り」が行われていましたが、この日は祭り終わり、土曜にもかかわらずひっそりとしています。梅祭り期間以外は、無料で入れる場所なので、もっと観光客が入ってきてもそさそうな気がします。もしかしたら逆に有料にしたほうが、集客力があがるのかもしれませんね。
住所:静岡県熱海市梅園町8−11
電話:0557-85-2222
営業:8時30分~16時00分
熱海梅園の位置は、「丹那トンネル」の真上に位置します。この丹那トンネルの掘削工事の時に、何度も大きな落盤事故が発生し、多くの殉職者が生まれています。丹那トンネルは、活断層帯を貫く工事だったため、伊豆の大地震の際に大変苦労しています。この事故の名残が熱海梅園に存在するとの情報から向かいました。
供養梅
熱海梅園の奥、中山晋平記念館の近くの山側に「供養梅」がありました。
落盤事故の慰霊のための梅です。ちょうどこの下で落盤事故があったのでしょう、裏手に水たまりがありました。
落盤事故の時に、地上の凹んだという記録があるようで、そこに水がたまってものと推測します。
来宮駅前の高低差
熱海の現在の発展を語る上で絶対にはずせない東海道線の「丹那トンネル」を地形から読み解く今回のコース。こちらの写真は、来宮駅前を下から撮影したものです。丹那トンネルの工事で排出された土を盛ってできた高低差です。排水の設備もしっかりあって、初川にその水は流れていきます。その他、実に興味深い話がたくさんでいい学びの場になりました。
まとめ
タモさんの気分になって超絶マニアックな話を聞きながら、熱海の坂を登ったり下ったり。およそ3時間半の行程でしたが、あっという間でした。
関係ないですが、自分的な気付きですが、旅館やホテルは川沿いにあったほうがいいです。その理由の1つに、「川の流れの音」は車の音や生活音をかき消してくれ非日常感を演出するのに役にたっています。もし川の流れがないとしても、水の音を人工的に作ることでそれは演出できますね。
好評につき第二弾が行わるようですので、気になる方はFacebookのイベントページをチェックしておくといいかもしれません。