湯河原 らぁ麺屋 飯田商店
熱海のグルメファイターの友人に連れられて、湯河原の飯田商店に行ってきました。以前から何度も誘われていたんですが、なかなか行く機会がなく、今日になりました。
ありがたいことに予め、友人が朝5時40分から飯田商店前にならび(その時点で3番目)、7時から配布の整理券を手に入れてくれました。整理券番号一桁台、すばらしい。午前10時50分にその友人と一緒に店前に集合し、午前11時の開店と同時に入店することができた。店内の席数は22席。
定番のチャシューメン醤油味1,150円をいただくことにする。店の入り口におかれて食券機で、チケットを購入。4人で行ったのでテーブル席に案内される。
お店の外観とネーミングからして想像できない、美しい店内、そして行き届いた接客。街の郊外にあるただ「ラーメン屋」では、断じてない。大げさに言うなら、ちょっとしたカウンターのみの懐石料理屋がやっている麺専門店である。内装、器、店の雰囲気、和装した女性の店員、いい感じである。ラーメンへの期待が膨らむ。
食券を渡して、待つことおよそ7〜8分。
これが噂の飯田商店の「らぁ麺」
自分は、基本ラーメンが好きではない。嫌いでもない。ラーメンという食べ物が食べたらウマいのは知っている。積極的に食べようと言う気には、なぜだかならない。そんな自分ですが、この飯田商店のラーメンは、また食べに行きたい!そんな感動があった。
まず食べて驚かされるのは、麺。醤油味、塩味、つけ麺とそれぞれに麺の種類を変えて、自家製している。食べた醤油ラーメンの麺は、もちもち感があるが、歯ごたえは抑え気味、鶏ガラのみにつくったスープが麺にまとわりつき、口の中で麺の小麦の香りとスープが一気にひろがる。この自家製麺は、国産のブランド小麦を、店舗内の作業場で石臼で粉にするところから作られる。店内奥のガラスの向こうには、石臼と麺の裁断機がおかれていた。自分が食事しているときには、動いていなかった。作っている様子を見たかった。
さきほど麺の話でスープにふれたが、このスープがまたウマい。鶏ガラのみでつくられたスープに、醤油ダレがまざっていて、実にうまい飲み物になっている。普段ラーメンを食べに行ったら必ずスープを残して帰る自分ですが、これは飲みほしてしまった。
麺とスープがここまでウマいと、チャシューへの期待も大きくなる。ふつうメニューのラーメンにもチャシューがたっぷりと入っているのだが、入っているチャシューが1種類。チャシューメンのチャシューは、金華豚の厚切りチャシュー、薄切りチャシュー、鶏のムネ肉のチャシューと3種類、大きめのものが2枚づつ入っている。しっかりチャシュータレにつこまれて濃厚な味の厚切りチャーシューは、食べごたえ抜群。薄切りチャーシューは、麺と一緒に絡めて食べるにピッタリ。タレの味を楽しむために淡白な鶏のムネ肉のチャーシューが用意されている。麺とスープの美味しさを最大限に引き出すためのチャシューラインナップである、チャーシュー麺にして正解だった!
店員の方に、料理の質問をすると気軽に答えてくれて、実に気持ちがよかった。麺の量がたっぷりあるので、都内で食べるラーメン屋のように、「食べたのに食べた気がしない」と言ったことがない。並んで食べた人は、お腹をすかしているから、これくらいのボリュームがあると満足感が最高潮なるに違いない。
せっかく早朝からゲットした食券で、一巡目で入店したのだから、つけ麺も食べようということになっていた。入店時にチャシューメンと一緒につけ麺のチケットも購入。最初に、店員に渡してあとから出してもらうようにお願いしていた。さすがに、2杯はつらいので、これを4人でシェアすることに。
ラーメンが好きでないとか言っている自分だが、つけ麺はどちらかと言うと嫌いである。つけ麺食べて美味しいと思った経験が残念ながらない。つけ麺は、お店から麺を食べさせられているだけのような気がしてならない。
そんなまったく期待していない状態で、飯田商店のつけ麺が登場するわけだが・・・
麺とつけ汁が登場するまえに、【塩】【アオサノリ】【柑橘】が麺にからめて食べるための付け合せとして出された。つけ麺の想像の範疇からすでに脱線している。
そして、だされたつけ麺の【麺】
外皮を残した小麦をつかって石臼で挽いているのか、麺がちょっと蕎麦に近い感じの色合い。あとからご主人に聞いたのだか、どうやら挽いた小麦をふるいにかける時がポイントのようだ。「ラーメン屋」の麺で、ない。そして器に入った麺には、汁も入っている。
汁がはいっているつけ麺?!なんだ?!
それも箸でさわってみるとドロドロするではないですか?ちょっと舐めると、出汁が効いてめちゃくちゃ旨い。旨味成分満載!カツ出汁と昆布のとろみがまざっているのだと思う。まず、この麺だけをなにもつけずに食べてみる。美味しいソバを食べているような、ラーメンの【麺】。これは、つけ汁につけなくても食べられる。
とは言え、まずは麺に塩をつける。麺の甘みが強調されて、これまた旨い。かの魯山人も「うまいは、あまい」と言っているが、まさにそれか。アオサノリは、ちょっとつけると、ノリの風味でうまい。柑橘の汁をつけて食べると清々しく食感が楽しめて、旨い!
ここまで食べたら、つけ汁はどうでもいいです。さっきのラーメンがうまかったわけだから、つけ汁も当然うまく、麺も旨いので、結果はわかってます。はい、つけ汁につけても、旨い!ただし、つけ汁でたべると、単なる「美味しいつけ麺」になってしまいそうです。さきほどの、なにもつけないままの麺からの食べ方が、最大限飯田商店のつけ麺を楽しめる食べ方ですね。
大満足で食べ終わり、帰り際に店員につけ麺のことをちょっと聞くと、わざわざご主人に質問を聞いてくれ、ご主人が気軽に答えてくれた。どうも繁盛しているラーメン屋に偏見があり、ご主人は頑固者のような気がしてしまうが、飯田商店の飯田さんはその偏見にはあてはまらない。
午前10時50分からならび、午前11時30分にはお店を出るまでの40分間は、「飯田商店」という名の食の冒険のアトラクションを楽しんでいる感動がありました。
そのあと、連れて行ったくれたグルメファイターの友人に「また、機会があったら是非連れて行ってください!」と懇願しました。
ちなみに、同じ日の午後の状況をつぶやいている人がいました。
飯田商店に10時53分到着、ラーメンにありついたのが14:13分。3時間20分待ち‼︎
最高新記録でした❗️
でも美味かったから良し pic.twitter.com/WDtleewW7w— ton (@tenrew) 2017年12月29日