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「ハラール(ハラル)」とは?
イスラム教徒(ムスリム)は教義(イスラム法)の元、口にしてはいけない食べ物と食べていいい物に分類します。
ハラール と ハラーム
ムスリムが食べて良いものがハラール(ハラル)
イスラム法で許された食べ物を「ハラール」と言いいます。日本語に訳すと「やってもやらなくてもかまわないもの(許可)」
・イスラム法で食べてよいとされているもの
・イスラム法で良いとされた方法で調理されているもの
ムスリムが禁止されている食べ物(ハラーム)
・豚、犬、猫、トラ、ラバ、ロバなど
・その他の動物で、イスラム法上正規の手順で屠殺されていないもの(牛も正規の手順で屠殺されていないとハラールとはならない)
・酒、アルコール類(アルコールを使って調理されると、ハラールとはならない)
良しとされる牛でも、飼料にハラールに反するのもが入っていたらNGで、屠殺するときにはナイフで「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えなければならないなどの決まりがあります。※電気ショックによる屠殺はNG。
さらに詳しく、ハラールの食品について知りたい方はこちら
ハラール認証
イスラム法にのっとり、ムスリムに安心して食べてよい食材を生産していることを認証するのが、ハラール認証です。ハラール認定は世界で一括で認定されているわけではなく、各国にハラールの認定の組織が存在して、そこがお墨付きをだしているのです。
日本では、NPO法人 日本ハラール協会 http://www.jhalal.com がハラール認定の役割を担っています。
協会のホームページを読んでみると、ハラール食品を製造するものすごく大変のようです。
ハラール認証を申請するにあたって
以下の事項をよくご理解頂き申請を行ってください。
1:企業としてハラール製品を生産する体制が整っていること。ハラールプランを作成すること。
2:製造・生産過程に加工が施されるものには全ての原材料がハラール性が確認できる物のみを使用すること。
3:ハラールサプライチェーンを遵守すること。
4:社内にイスラム教徒、もしくは非イスラム教徒でも協会の提供する’ハラール管理者トレーニング’を修得し、ハラール管理者として就労していること。(複数名以上)認証取得から2年間以内にイスラム教徒の雇用をすること。
5:荷物昇降、製造ライン、品質管理、倉庫、配送に至る一連をHACCP, GHP,ISO9000, GMPの基準(または同等のもの)に基づきクリアしていること。
厳格に決められたものをクリアしなくてはならなく、日本の企業でクリアしていくには大変な部分もありそうです。
これが、中小の企業となったときにはかなりのハードルになりそうです。とは言え、海外からの観光客が毎年増加しているなか、アラブ諸国やインドネシアからのイスラム教徒の方々も急増中です。
ちなみに、このハラール認証について大事件が発生したことがありました。2001年インドネシアで味の素が、「味の素」製造にあたってハラール認証を合格しました。しかし、その後製造工程で豚から抽出した成分で「味の素」を作っていることが発覚し、インドネシア味の素の社長が逮捕されるというものです。そんな大事件をおこした味の素ですが、今やインドネシアの食卓では「味の素」は欠かせない存在とあり、2014年で年間300億円以上売上げ、さらに右肩あがりで好調です。
ローカルハラル認証
その様な背景もあり、ムスリム(イスラム教徒)の少ない日本で実情にあわせた認証を出しているところがあります。マレーシア ハラル コーポレーション株式会社さんでは、マレーシアのハラール認証をベースに日本にあわせたものとして「ローカルハラル認証」を出しています。
MHCでは、ムスリムが安心できてかつ日本の実情に合わせ、既存のメニューに加えてハラルメニューの提供を可能にしたり、ハラルラインを設けてハラル製品の生産を可能にしたりする仕組みを構築しています。施設・設備のハラルの信頼性がきちんと確保されて製造・生産されている証として、「ローカルハラル認定書」を発行しています。
その規格は、世界的に最も通用度の高いマレーシアのハラル認証基準をベースに、日本の現状に合わせてローカライズしたものです。 出典:MHC
熱海にハラール認証の店はあるのか?
では、熱海にハラール認証の飲食店・ホテルはあるのか?ネットで調べてみました。
出てきましたのが「ATAMIせかいえ」さん
ATAMI せかいえが「ローカルハラル認証」を取得いたしました
5月19日に、ATAMI せかいえは「ローカルハラル認証」を取得いたしました。
熱海地区では初、全国的にも旅館が取得するのは珍しく、全世界の方々に美味しい日本料理を提供し、まさに「世界の家」になれるよう、今後も精進してまいります。合わせまして、拘りぬいたおいしい糖質制限 おいしいベジタリアン やさしいファスティングの献立もご用意し、様々なお客様のご要望にお答えしてまります。
やりますね「せかいえ」さん。認証されるのも、それを維持するもの大変だと思います。すべてのホテル・旅館が認証する必要はないと思いますが、これもまたホテルの個性として集客やブランド化につながる動きだと思います。
追記:2017年7月13日
東京都台東区では、増加するムスリム観光客向けの情報をFacebookで公開しています。週に一回の更新で、礼拝所やハラル認証店などの情報を発信していくそうです。言語は、英語です。
台東区では、飲食店がハラル認証を取得する際に10万円の補助金を出す施策を行っています。区をあげてのムスリム観光客誘致に力を入れています。
まとめ
ムスリムの方が増えてきているとは言え、全体の数から言えばまだまだ少数派であることは間違いありません。すべての飲食店・旅館がハラール認証を取得する必要はないと思います。ただ、熱海は日本有数の温泉観光地ですから、幅広い国からの観光客に対して門を開らいている多様性が絶対に必要だと思います。
飲食できるお店でハラールないかな〜と思っていたら、熱海駅前第一ビルのインド人シェフが作るカレー屋さんがハラール食材で作っているとチラシに書いてありました。
調べてみて、ハラール認証については色々団体が存在しているようで、一筋なわではいかなさそうな気もします。追加で調べる必要もありそうです。
参考資料
拡大するハラル市場と現状 ~ハラルマーケットの基礎~(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/tohoku/kihon/yusyutu/kyougikai/pdf/tanaka-siryou.pdf
株式会社 二宮(ハラール専門商社)
http://www.ninomiyacorp.co.jp