【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。その2

熱海の今抱えている問題点とその解決の道を探り、2030年の未来について考える市民と有識者の会議(熱海リノベーションまちづくり構想検討委員会)

「ATAMI2030会議」の第五回に行ってきた。

前回からの続きです。

【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。 その1

会議の概要の説明と観光を研究している大学教授大久保さんの話がありました。

つづいて

2013年からの観光の取り組みについて

実践者ミニトークとしまして、JTB中部 地域交流推進課長 木村 ともえさんから2013年からのシティープロモーションの取り組みについて話されました。

JTB中部

株式会社JTB中部 地域交流推進課長 木村 ともえ 氏

木村『関西出身ですが、熱海に好きになった』

プロモーションに携わってから、毎週2泊3日熱海に訪れていたそうです。計算すると4年間のうち1年間は熱海で過ごしたことになる。そうしているうちに熱海が大好きになったと。

JTBは元々旅行商品を扱う企業ですが、今回町のプロモーションを請け負うことができたのは、大変誇りに思い、嬉しいことだったそうです。

木村さん、シティープロモーションを始まるにあたって現状分析をどうみたのか?

5年前の熱海は?

入湯税から見た観光客と宿泊客の推移のグラフを見てみよう。

2016-12-27_熱海の観光に関するグラフ.005

宿泊客とリクリエーション人数の推移

平成23年に、どん底に落ちている。そこからのシティープロモーション。

シティープロモーションについて

シティープロモーションについて

課題として3つ

課題1)バラバラの観光プロモーション

市、観光協会、ホテル、商工会など観光関係者がバラバラにしているために、「ブランドイメージ」がない

課題2)宿泊が減少傾向をたどる

リピート客が多いものの、緩やかに宿泊客が減少

課題3)観光まちづくりができていない

旅館・ホテルの滞在を楽しむ従来型の観光地であっため、観光客が街に出ていかない。そのため街の魅力を発信するきっかけがなく、シャッター商店街。観光の消費も起きにくい。

→「顔がない」「変化がない」「さびれたムード」観光地・・・熱海

課題満載の熱海でマーケティング調査をする。

観光客が良いと思っているものと、住民が良いと思っているものでギャップがある。熱海には思いもよらぬ、意外といいものがあった。

思いもよらず良かったもの、伝えたいもの

思いもよらず良かったもの、伝えたいもの

旅行者が答えた、思いもよらずよかったもの第一位は「海」

地元の視点とよそ者の視点を組み合わせて、演出・脚色を加えて

「意外と熱海」

熱海の隠れたパワーを表にだそうと、プロモーションをすることに。それは、

地域が一丸となるための合言葉「住む人の誇り」

と呼び起こそうという狙いがある。地元の人が場所を紹介するときに「熱海の意外といいですよ」「熱海の◯◯は、意外と面白いよ」地元熱海の人たちが、地元の誇りを呼び覚ますきっかけにしたいという思いが。

その地元の視点・思いに、JTBさんのよそ者の視点に、演出・脚色のスパイスを加えます。熱海の隠れたパワーを表に出すために。

意外と熱海

潜在観光パワー 意外と熱海

今まで、ばらばらだった情報を集約。宿泊関係、交通関係、商工会議所、市役所、旅行会社、観光施設、イベント運営団体、地元住民をまとめる。情報を一元化して編集して統一コンセプト「意外と熱海」で発信することに。

ばらばらの情報を収集

ばらばらの情報を収集

ターゲットを若年層にしぼり、新発見してもらうを狙う。「行ってみたら、意外とよかった!」と感じてもらうように。

意外と熱海のホームページ

意外と熱海のホームページ

意外と熱海 http://www.ataminews.gr.jp/igaitoatami/

ホームページを見てみると、若者女子が主人公となって熱海を旅して色々な発見をするイメージです。熱海で一番最初に思い浮かべる「温泉」については、しばらく売り出さなかった。温泉のイメージは意外ではないからと。

本来、旅行代理店なら旅館やホテルをどう儲けさせるかが使命であるが、町のプロモーションということで、「熱海」のブランド作りを徹底して行った。よその旅行代理店との協力も得たりもしたそうです。

今までの熱海では、新幹線でやってきたお客さんを旅館の送迎バスがそのまま宿に連れて行っていた。観光用の交通機関が存在していなかったので、人が町の中を回遊できるようにとバスとクーポンにした商品を開発。割引が半年間効くとあって、リピート客の呼び込みにも一躍かっている。

「すごいお得なので、利用してください!」とのことですが、会場の人は熱海の人ですけどね。

女性のみの観光客は、鉄道とバスを使う

女性のみの観光客は、新幹線とバスを使う

女性目線の観光は徹底してあり、スイーツや四季の花をフィーチャーしたものを次から次へと展開している。

素材×おかみさん スイーツ

素材×おかみさん スイーツ

次は、展開は「夜の熱海」の楽しみ方に取り掛かるようです。昔の熱海を知るおじさんたちが喜びそうな企画ですね。

ブランド化へのポイント

その町が持つ「匂い」これをどうブランド化していくかが大切だそうです。観光客が町を歩いた時に「◯◯な町だよね〜」という感想の◯◯が、住民を含めてみなが一致した時がブランド化の成功なのかもしれません。

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宿泊産業論

お二人の話で、40分進行。つづいてはゲストトークとして、山形県鶴岡市から来ました阿部さんのお話に

宿泊産業論

宿泊産業論 〜宿づくり・街づくりの視点から〜

宿泊産業論〜宿づくり・街づくりの視点から〜

亀屋 阿部氏

阿部公和氏(山形形県鶴岡市の㈱亀や代表取締役)

40代半ばの若手の旅館経営者さんです。自己紹介は下記のような感じ

阿部公和氏 略歴

阿部公和氏 略歴

で、阿部さんのお話も大変興味深い事例がたくさんあったのですが、それ以上に面白いことが阿部さんが色々なところで出会った師匠や仲間たちの紹介です。とても素晴らしい人達ばかりで、友達自慢とも思えるお話でもあります。阿部さんのチャレンジの周りには、こんな人達がいます。

阿部さんの大切な人たち

岩倉榮利  家具デザイナー
根岸正典 狭小住宅の鬼
上野朝子 テーブルコーディネーター
茶人 フラワーコーディネーター
山澤清 アルケッチャーノを有名にした自然派料理人
水野学 クリエイティブデザイナー
小松裕行 クリエイティブディレクター
田村安 オーガニックワインの専門店
せきねきょうこ ホテルジャーナリスト
伊賀大介 スタイリスト
吉村靖孝 若手の建築家
広瀬一郎 「桃居」ギャラリスト
木村武史 木村硝子
鈴木直登 和食料理人
佐竹弘 イタリア料理人
星野智之 東京カレンダー元編集長
山本栄治 和食料理人
竹内昌義 建築家
馬場正尊 建築家
吉澤保幸 地域アドバイザー

この会議の最後の部分で、質疑応答の時間がありました。参加者の中から「阿部さんは、こんなに素晴らしい人達にめぐりあえてのはなぜですか?」の質問が

阿部『謙虚な姿勢になり、自分ができないことは人に頼む。一番大切なことは、先祖・親に、周りの人に感謝すること。そしたら、人との出会いでありました。宗教じゃないですからね(笑)』

阿部さん、人柄が本当にいい感じでした。きっと若いときは、ガンガン行っていたのでしょうか?途中の気づきがあり、周りに人が集う素敵な人になったのだろうと思います。にしても運がきっと強い人なんだろうな〜

その3 につづく・・・

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