【映像製作】「映画制作の8つの黄金ルール」【脚本開発】

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脚本開発に迷ったときのヒント:8つ

導入:なぜ「ルール」が必要なのか?

脚本を書くのは楽しい反面、ときには悩みの連続です。「どうすればキャラクターに観客が感情移入してくれるのか?」「物語をもっと面白くするには?」といった疑問にぶつかるのは当然のこと。そんなとき、プロの脚本家たちが長年の経験で培った「黄金ルール」が役に立ちます。

今回は、『SAVE THE CAT』をはじめとする脚本制作の8つの概念を取り上げ、それを具体的にどう活用すればよいかを解説します。これらのルールを使いこなせば、あなたの脚本が観客の心をつかむ作品へと変わるでしょう。

SAVE THE CATの法則


1. SAVE THE CAT:主人公を応援してもらう方法

観客はどんな主人公を好きになる?

「この主人公を応援したい!」と思ってもらえることは、脚本の成功のカギです。「SAVE THE CAT」とは、物語の序盤で主人公が何か好感を持てる行動をすることで、観客との絆を築くためのテクニックです。

具体的なアドバイス

  1. 主人公の「猫を助ける行動」を見つける
    • 書き出す:主人公の行動をリストにして、「誰にとってプラスになる行動か?」をチェックする。
    • 例:主人公が動物を助ける、子どもに優しくする、仲間をかばうなど。
  2. 行動にキャラクター性を出す
    • 行動が主人公の性格や背景とリンクしていることが重要。
    • 例:ひねくれたキャラクターなら、助けた後に「仕方なかったんだ」とぶっきらぼうに言う。

2. プールで泳ぐローマ教皇:意外性で観客を驚かせる

次の展開を読まれていませんか?

観客が先を予想できる物語は退屈になりがちです。「プールで泳ぐローマ教皇」というフレーズは、あり得ないシチュエーションを使って驚きや興味を引きつけることを意味します。

具体的なアドバイス

  1. キャラクターに「意外性」を与える
    • 普段の行動や性格からかけ離れた一面を見せる。
    • 例:クールな刑事がカラオケで熱唱するシーン。
  2. 非日常的な状況を導入する
    • 普通の場所や日常的な状況を、非日常的な展開に一変させる。
    • 例:田舎町に宇宙人が突然現れる。

3. 魔法は1回だけ:特別な瞬間を最大化する

観客を飽きさせていませんか?

映画の「驚き」や「感動」は、一度だけだからこそ特別です。このルールは、最も重要な瞬間を絞り込み、最大限に活かすことを教えています。

具体的なアドバイス

  1. クライマックスを設計する
    • 「この映画で最も観客を驚かせたい場面はどこか?」を明確にする。
    • その瞬間にすべてを集約し、他のシーンでは控えめにする。
  2. 伏線を使って期待を高める
    • クライマックスに至るまでに小さなヒントや謎を散りばめる。
    • 例:最初にちらっと見せたアイテムが、クライマックスで重要な役割を果たす。

4. パイプの置きすぎ:説明を削ってテンポを守る

設定や背景を詰め込みすぎていませんか?

観客は、すべての設定や背景を聞かされる必要はありません。「パイプの置きすぎ」とは、ストーリーを妨げる不要な説明や情報を指します。

具体的なアドバイス

  1. 必要な情報だけを残す
    • 書き終えた脚本を読み直し、「これは本当に必要か?」と問いかける。
    • 例:専門用語や複雑な設定は、物語の進行に関係があるものだけに絞る。
  2. 見せて語る
    • 設定はキャラクターの行動や環境で伝える。
    • 例:荒廃した世界観を説明する代わりに、朽ち果てた建物や荒野を見せる。

5. 黒人の獣医:キャラクターをユニークにする方法

キャラクターに個性が足りない?

「黒人の獣医」は、普通では考えにくい意外性のあるキャラクター設定を意味します。記憶に残るキャラクターを作るためには、このような工夫が必要です。

具体的なアドバイス

  1. ギャップを作る
    • キャラクターの性格や職業に、意外な組み合わせを加える。
    • 例:タフなボクサーが、実は優れたピアニスト。
  2. 背景や特技を深掘りする
    • 意外性を持たせたキャラクターが、物語の進行にどう役立つかを考える。
    • 例:獣医がサバイバル状況で動物を治療し、人間社会にも貢献する。

6. 氷山、遠すぎ!:物語を早く動かすコツ

物語が始まるのが遅すぎる?

映画の主要な問題が発生するまでの時間が長すぎると、観客は興味を失います。「氷山、遠すぎ!」は、早い段階でストーリーを動かす大切さを教えるルールです。

具体的なアドバイス

  1. 最初の10ページに問題を置く
    • ストーリーの「核」となる出来事を冒頭に配置する。
    • 例:主人公が冒頭で重大な決断を迫られる。
  2. プロローグを削る勇気を持つ
    • 長い前置きは避け、物語の本筋に早く移る。

7. 変化の軌道:主人公の成長を描く

主人公が変わらないストーリーは弱い

物語の主人公が変化しない場合、観客にとってその映画は退屈に感じられるでしょう。「変化の軌道」は、主人公の成長や葛藤を描く方法を示しています。

具体的なアドバイス

  1. 最初と最後を明確にする
    • 主人公が物語の開始時と終了時でどのように変わったかを具体的に書き出す。
  2. 変化を段階的に描く
    • 主人公が成長していく過程を、物語全体でバランスよく配置する。

8. マスコミは立ち入り禁止:説明は控えめに

観客に「体験」させていますか?

説明的なセリフや設定は、観客を退屈させるだけです。「マスコミは立ち入り禁止」とは、物語を説明ではなく体験として提供する重要性を強調しています。

具体的なアドバイス

  1. 行動で伝える
    • キャラクターが行動を通して状況を語る場面を入れる。
    • 例:荒廃した都市を説明するのではなく、主人公が廃墟を探索する。
  2. 視覚的ヒントを使う
    • 情報は映像で語る。背景、道具、表情などを活用する。

8つのルールを実践に活かそう

脚本開発で迷ったときは、これらのルールを思い出してください。それぞれのルールを自分のシーンに当てはめることで、作品の問題点が浮き彫りになり、改善のアイデアが見えてくるはずです。最も大切なのは、これらをただのルールとして捉えるのではなく、「観客がどう感じるか」を基準に適用することです。観客の心を動かす物語を目指して、試行錯誤を楽しみましょう!

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