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別荘地・熱海
文豪たちの邸宅・別荘があり縁のお店が数多くあります。今回は、「痴人の愛」や「細雪」で知られる谷崎潤一郎先生が好きだったというお店を訪ねてみた。私の好きな作家の一人です。
老舗洋菓子店「モンブラン」
熱海の海岸と銀座通りの中間くらいにあり、ちょっとした裏通りに位置する洋菓子店「モンブラン」→以前紹介した便利ブックマーク:スイーツマップに地図が掲載してます。
祭日の夕方に訪れると、先客のご婦人がいらして多くのケーキをご購入されていました。「いつも前を通るのだけれど、一人なのでなかなか買えないのよね」なんて話をなさっていて、今日はご家族か友人たちが訪ねてきたのでしょうか、ケーキを笑顔で持って帰っていってました。地元に愛されている洋菓子店の一面を垣間見ました。
谷崎潤一郎さんが愛したモカロール!
「店頭にモカロール出来上がりした!」の看板が掲げてあるように、お店の自慢の逸品。これが谷崎潤一郎さんが大好きなお菓子だったようで、テレビや雑誌などでもよく取り上げられています。夕方の時間に来たせいで、あいにく売り切れておりました。残念。
「人気なので、お昼ぐらいの時間にくるといいですよ〜」
とアドバイスを受けることに。
並ぶケーキたちは昔ながらの武骨な見た目で昭和と懐かしさを感じさせる。しかたなくと言ってはなんですが、お店の名前にもなっている「モンブラン」と「いちごのショートケーキ」を買って帰ることにしました。
イチゴのショートケーキは、すごくバッサリをカッティングされていて素朴な感じです。味も洗練されていなく、形容しがたい大味のショートケーキでした。ご年配のご婦人が好物というのもうなずけます。
こちらはモンブラン。名前からしてマロンケーキかと思いきや!違います。スポンジケーキに洋酒をびっちょり浸したサバラン。こちらもショートケーキに劣らず、昭和テースト全開のスイーツです。フォークをケーキに入れると、洋酒がたっぷりと染みでてきます。お酒が苦手な方は食べれないと思います。
お店の写真をチェック
お店には、谷崎潤一郎先生の写真が飾られているので、許可をいただき写真を撮りました。
〜写真のキャプション〜
モンブランのモカロールが大のお気に入りで、著作活動後は必ず注文が有りました。撮影:昭和30年3月 熱海水口の別荘にて
隣にも昭和の白黒の写真が、飾られていました。これは・・・・
ロバート・キャパも来ていた
報道写真家のロバート・キャパが、1954年にこのお店に訪れて写真を撮っていました。キャパ縁のお店でもあったのですね。
〜写真のキャプション〜
世界的に有名な報道写真家ロバート・キャパは、1954年(昭和29年)4月訪日しました。昭和29年4月15日、和服姿のモデル女性と、当時フランス料理店であった当店「モンブラン」に食事に来ました。ビールとベーコンエッグを注文し、コーヒーは何杯も飲んだそうです。その時の一コマがこの写真です。食事後に化粧を直す女性と、背景の仕事に打ち込むコックさん(オーナー新田道雄氏)のコントラストにキャパは惹かれたそうです。
その後、ロバート・キャパはフランス領インドシナ、現在のベトナムに向かい、フランスからの独立戦争が激化する報道取材のため、首都ハノイに滞在していましたが、1954年5月25日、ハノイ南東70kmの海岸の町、タイビンの土手で対人地雷に触れ死亡しました。「モンブラン」で撮影したこの写真は日本での遺作となりました。
さらにお店の方に聞くとこのモンブランさん、女優の京マチ子さん、高峰秀子さんも来ていたそうです。
お店の略歴
1947年(昭和22年)にフランス料理店として開業した「モンブラン MONT BLANC」
1955年(昭和30年)に洋菓子専門店となる
2002年改装し、現在に至る住所:熱海市銀座町4-8
電話:0557-81-4070
営業時間:10:00〜18:00(土日〜19:00)お店のホームページ http://atamimontblanc.web.fc2.com
谷崎潤一郎先生が愛したモカロールがなかったので、リベンジしましたらこちらのページで更新してアップさせていただきますので、後日チェックしてください。
<追記>
土曜の12時にお伺いしたら「モカロール」が売ってました!
1ロールが1800円。1カットが300円になります。
歩いて3分のところにヨットハーバーがありますので、そちらのベンチに座って美味しくいただきました。ほのりとコーヒーの味がする昔ながらのロールケーキの味です。谷崎潤一郎先生がこのケーキを愛していたんですね〜
言わずと知れた報道写真家ロバート・キャパでありますが、ご存知無い方のために・・・