【熱海】自動運転車開発ご担当者様、社会実験場にいかがでしょうか?

6月末に、熱海駅前にてIT界隈っぽいお兄さんたちがいたので声をかけたら、アプリの実地実験をしていた。株式会社ドリル(電通のITメディアの組織だったかな)の方々で、新たに作っているシステムNEURONAVI(ユーロナビ)の実験を熱海市の協力を得て行っていました。このNEURONAVIは、ユーザーがどんな事を望んでいるか調べ、情報を与えてくれる(サジェストしてくれる)システム。

株式会社 Drillのプレスリリース(2017年6月28日 13時52分)世界初、脳波を活用した観光ナビゲーションシステム「NEURONAVI」熱海商工会議所とともに初の一般参加型イベントを開催

6月24日に全7事業者に参加いただき、来訪者が「NEURONAVI」を着用・体験できる、一般参加型イベントを熱海市内で行いました。参加者からは「実際に興味がある場所に近いところをお勧めされた。あたっている」「すごく面白いから、本格的に導入した方がいいと思う」といった感想があがっており、示されたスポットに実際に足を運んで楽しむ参加者の姿も見られました。 出典:株式会社 Drillプレスリリースより

ユーロナビ

まず被験者にヘッドセットを着用してもらい、タブレットにスライドして流れてくる写真を見てもらいます。温泉や海、海鮮丼、スイーツなどの画像が出てきます。被験者が画像をみて無意識に反応したものを、ヘッドセットを通して脳波を感知します。その中で、1番反応が高かったものがユーザーが「今、1番やりたかった」と判断して、その項目に関する詳しい情報を教えてくれます。自分は住吉屋さんの「とろけるでシュー」に1番反応したようで、駅前から住吉屋さんまでの案内図と関連情報をサジェストされました。先進的な観光案内システムとして2020年までに実用したいと、代表の方は語っていました。浅草や秋葉原など東京の観光地だけでなく、数ある温泉地の中で熱海が試験する場所として選ばれているはありがたい。

このような実証実験の場として熱海は実は最適で、今話題の自動運転車の社会実験場もいいんじゃないかと思った訳です。

ご担当者様、自動運転車の社会実験場にいかがでしょうか?

自動運転車イメージ

背景

日本での社会インフラの先駆けとなってきた熱海。明治時代に市外通話発祥の地となり、大正時代には丹那トンネルの開通、昭和に入ってからは大火で焼けたあとに国際観光都市のまちづくり、そして東海道新幹線ができ発展してきました。
一時期、集客がどん底に落ちてきていた熱海もV字回復とか言われ、少しは賑わいを取り戻してきています。とは言え、町としては課題が山積しているのが実情です。日本の30年先を行く高齢化社会といわれ、不動産の空き家は街中に溢れかえり、賑わいを増すにつれて深刻な人手不足に悩まされてきています。

なんで、自動運転車の実地実験の場所として良いと思った理由は・・・

最適な理由

熱海はの地形的は、山あり、海あり、人口密集市街地あり、過疎地域ありと、駅の周りから5キロ圏内にすべてがそろっている地域。さらに言うと、信号もあれば、無い場所もあり、平坦な地域もあれば、急坂があり、狭い路地も豊富で、日本の道のデータ収集に最適ではないでしょうか。

社会実験場として熱海が最適な理由な一つに、全国規模のネームバリューやニュースバリューがあります。本質的な経過や結果をリリースすることが最重要ですが、「熱海」という地名の持つブランド力が人の目をひき社会的影響力を得ることができるはずです。

また熱海は、街づくりに取り組んでいる人たちのおかげて、なにげに先進的なイメージが付いてきていると思います(まだまだ一部の人たちの間だけだと思うが)。

新幹線が通っていることからも、交通アクセスが良さはポイントが高いと思います。いざ実験となれば、海外からも視察団や観光客がやってくるでしょう。ホテル・宿も数多くあり、受け入れ体制も問題なさそうです。

熱海では自動運転車の技術的な進歩を享受するだけでなく、社会的側面も見ることができそうです。

自動運転車により社会的課題の改善をイメージできる町

熱海は、日本の先を行く高齢化、高い空き家率、政府が目指す観光産業が中心の町、子育て環境の街づくりが進んでいない、労働人口不足。皮肉混じりで言うなれば素晴らしいまでの未来の日本の負を背負っている町です。

熱海は、バス路線が豊富にあります。駅前からは10路線で1日300本近いバスが運行されています。しかし、地域によっては利用者が少なく本数を減らさざる得ません。バスの運転手の確保も、深刻な問題としてあります。バスの運行が減ると、高齢者の人たちの外出機会が減り、健康寿命が短くなり社会保障費の増加も市の問題としてあがってきます。もし、自動運転によりバス路線の拡大や柔軟な運行ができるようになれば、高齢者の外出率も増加してくるはずです。

空き家率が高くなる理由の一つとして、駅から遠い交通的に不便なところは、不動産価値が下がり住む人がいなくなり、借りてもいなくなってくるという問題があるのではないでしょうか。自動運転車が普及すれば、駅から遠いところでも、車を保有しなくても便利になり、気軽に市街地中心部にアクセスできるようになれば、家賃が安く、交通アクセスがよいとなれば、借りても増えてくるのではないかと。場所にとらわれない住む家、働く場所の自由さが増加が考えられます。

バス路線も多いが、タクシーがとても多いのが熱海の特徴です。バスが不便で使えない人や観光のお客さんが使うという背景があります。バスの運転手同様に、ドライバーの確保は深刻な問題です。熱海が一番景気がよかったころにドライバーになって人たちがどんどん引退しはじめています。タクシーがすべて自動運転車に変わったとしたら、その労働力を他の産業に割り振りできるでしょう。(そう単純にドライバーやめたから、なんかになるとはいかないと思うが・・・)

子育てしているお母さんの中には、車の運転もできないという人もいるかもしれない。自動運転車が普及すれば、移動のハードルが下がり、労働機会の増加や子育て環境改善にもなるのではないでしょうか。例えば、特技を活かした仕事場が少し離れているけど自分一人では出かけられないときに、自動運転車で出かけるとか。子どもをあやしながら運転はなかなか出来ない時に、自動運転車を利用するとか。

勝手にタイムスケジュール案

2018年 試験導入検討実験
2020年 バス1路線試験導入
2022年 駅前〜主な観光地の定期路線開通
2025年 熱海市街地は、自動運転車であふれかえる町

LINEさん、トヨタさん、日産さん、ホンダさん、Googleさん、Appleさんなどの各社自動運転車開発のご担当者様いかがでしょうか?

ぜひ、熱海から未来を作ってください。

参考図書

熱海を徹底的に知りたい方にオススメの本がこちらです。

 熱海市が市制施行80周年記念として今年4月に刊行した「熱海温泉誌」。一般向けに書店やネットで販売され、アマゾンの「日本の地域経済」カテゴリーのランキング1位になるなど売れ行きも好調、市は増刷を予定

歴史はもちろん、文化、政治、地理などありとあらゆる熱海を徹底的に調べた本です。他の自治体の方もすごく参考になると思います。

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