【熱海】ATAMI2030会議その3「アルベルゴ ディフーゾ」

第5回ATAMI2030会議についての模様の前段はこちら

【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。その1

【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。その2

続きからで、今回は大島 芳彦(株式会社ブルースタジオ専務取締役/株式会社リノベリング取締役)さんの話

「まちぐるみの宿という考え方」

についてです。内容は大島さんがイタリア「アルベルゴ ディフーゾ」の視察に行ったお話でした。初耳の言葉です、なんなのか?大島さんが話された「アルベルゴ ディフーゾ」について書いていきます。

アルベルゴ ディフーゾとは?

アルベルゴ ディフーゾ協会 http://www.alberghidiffusi.it

まず、協会のホームページに掲載されている画像を見てみよう

alberghidiffusi.it-0

www.alberghidiffusi.itより

alberghidiffusi.it-2

www.alberghidiffusi.itより

古い町並みに、古い家のベットルーム。民泊の紹介のホームページのようでもある。

アルベルゴ ディフーゾ・・・イタリア語で「アルベルゴ」とはホテル、「ディフーゾ」とは分散・拡散を意味します。「分散したホテル」を意味します。

誰も住んでいない空き家を活用し、観光客を呼び込み、地域を活性化させようして始まった運動が「アルベルゴ ディフーゾ」です。

普通、旅館やホテルでは一箇所に宿泊してもらいます。しかし、このアルベルゴ・ディフーゾは、町の中にある複数の建物を利用して宿泊施設として提供するものです。民泊とも違うのは、集合体である必要があります。その宿泊施設の中心(各場所から200メートル以内)に、フロント・レストランを置くことが決まりとなっています。受付があることからも、民泊とは異なります。空き家を複数つかうことから、単に点で宿泊施設の提供ではなく、フロントがあり、複数の場所があり、地域で宿泊施設を観光客に提供しする形です。

イメージしやすいように、図にしてみみました。

ホテル・旅館
ホテル・旅館 イメージ図

ホテル・旅館 イメージ図

当たり前ですが、一つの建物に宿泊者が入り受付や食事するところは、同じ建物の中にあります。

民泊
民泊 イメージ図

民泊 イメージ図

エアビーアンドビーで大流行中の民泊。地域の中にバラバラにある建物の中に旅行者が宿泊します。とくにロビーや受付・レストランは存在しません。

アルベルゴ・ディフーゾ
アルベルゴ ディフーゾ イメージ図

アルベルゴ ディフーゾ イメージ図

地域の建物に宿泊するのは民泊と同じですが、その中心に受付となるレストランが存在します。半径200メートル以内に受付がある必要があり、そこで鍵を借りて部屋に行く仕組みになっています。

イタリアでも高齢化社会であり、限界集落も多く存在します。住民に見捨てられた廃墟同然の町も存在しています。その寂れた町を観光宿泊施設として、復活させる試みが「アルベルゴ・ディフーゾ」です。

この理念に基いたものだけが、「アルベルゴ・ディフーゾ」と名乗ることができるそうです。

アルベルゴ ・ ディフーゾ事例

町の再生ということで、イタリアでは70を越える町が「アルベルゴ ・ ディフーゾ」になっています。実際にどのような感じになっているのか、大島さんが実際に行かれたところやサイトで登場している場所を探してピックアップしました。

南イタリア マテーラ

※参考のストリートビューです。

洞窟都市と言われ、石造りの家々がならび素晴らしいところなんですが住むには不便そう。そこにできた空き家を利用してのアルベルゴ ・ ディフーゾ。

北イタリア プレイト

こちらは、イタリアの西北部。フランスとの国境近くの山間地にある。アルベルゴ ・ ディフーゾは、既存の民家を改装して宿泊施設にするという決まりがあります。

alberghidiffusi.it-3

www.alberghidiffusi.itより “locanda degli elfi”

YouTubeに動画アップされていました。

イタリア中部 トスカーナ

alberghidiffusi.it-4

www.alberghidiffusi.itより “il canto del maggio”

こちらのアルベルゴ ・ ディフーゾのサイトは、日本語対応になっています。http://www.cantodelmaggio.com/ja/

イタリア サルデーニャ島

alberghidiffusi.it-5

www.alberghidiffusi.itより”antica dimora del gruccione”

こちらは、イタリア半島の西の海にあるサルディーニャ島。トラベルサイトの感想などを見ると、中庭がすばらしく朝食が美味しかったと大評判です。

まとめ

「アルベルゴ・ディフーゾ」の考え方は大変興味深い仕組みです。

イタリアをはじめとするヨーロッパの町は住宅が集中して建っていますが、日本のど田舎は民家と民家との間隔あいているため、なかなか対応できるとは思えません。しかし熱海では、中心部は比較的こじんまりとしていて、空き家も目立っているので活用して対応できるかもしれません。条件は限られてきますが町を一つのホテルや旅館にみたてて、地域を再生する方法は日本の町に必要な考え方でしょう。また実際に行うとなると、町としての魅力も整理していく必要もありそうです。

ATAMI2030会議には、まだ続きがあるのですが今日はこの辺にしておきます。

第五回ATAMI2030会議について

【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。その1

【熱海】第五回ATAMI2030会議に出席してきた。その2

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コメント

  1. 溝口淳 より:

    アルベルゴ ディフーゾに興味があり検索した結果、このページを拝見しました。このページを引用させていただきたくコメント差し上げました。
    突然のコメントで失礼いたしますが、よろしくおねがいいたします。

  2. NagataMasayuki より:

    ご連絡ありがとうございます。どうぞご利用ください。お手数ですが、できるならリンクを張ってもらえると嬉しいです。あと、サイトができたら教えてください。よろしくお願いします。