和歌山を訪れた第三弾です。
第二弾→ 【和歌山】米蔵カフェ「くらとくり」 ※ぐりとぐらではない
前回のブログで書かせてもらった米蔵カフェのすぐ近くに、工房を構えるイギリスの方を訪れました。
和歌山に移住した大工 ドミニク・アレンさん
来ているのは和歌山県紀美野町。関西国際空港から車で2時間の所にある、のどかな里山です。
その紀美野町で、少子化で廃園となった元幼稚園を工房として使ったいるイギリス人の方がいると言うので見学させてもらいました。
ドミニク・アレンさん。イギリスの田舎で育ち、大工さんをやりながら、バッグパッカーとして世界中を旅していたそうです。ニュージーランドで日本人の奥さんに出会い、結婚を期に日本にやってきました。来日した当初は、学校の英語臨時教師として働いていましたが、大工の仕事がやりたい思いから、ここ和歌山・紀美野町で家具職人として起業しました。工房は、町が運営していた幼稚園が廃園になった場所を格安で使用させてもらっているそうです。
広い園の建物の中には、材料と作りかけの品物が所狭しとあります。なかなかこれだけのスペースを見つけるのは大変でしょう、タイミングよく借りられたアレンさんはラッキーですね。
使用する木材は、もちろん和歌山県のもの。杉やケヤキを材料として使っています。主に古い材木をリフォーム、リニューアルしてコストをかけずに作るのがアレンさん流です。現場には作品はありませんでしたら、ホームページを拝見すると素敵なものが沢山のっていました。
道具についてお伺いすると、日本の道具とイギリスの道具を使っているそうです。日本の道具は、性能がよく使いやすのだが使える作業の範囲が狭い、専門性が高い。一方、イギリスの道具は性能はそこそこだが使用できる作業範囲が広いそうです。
アレンさんは、主にイスやテーブルのオーダー受けて作っています。その他頼まれればなんでも作るのですが、得意なのがスピーカーのようです。こちらの写真に写っている大きいスピーカーもアレンさんが作ったものです。スピーカーの話になるとさらに楽しそうに語っていました。
現在では、日本人の奥さんの間にお二人のお子さんがいて、近々もう一人生まれる予定です。日本に来て11年目のアレンさんですが、日本語はそんなに得意ではないようです。しかし、地域住民の方々とは順調に交流を深め有意義な生活を送っているようにお見受けしました。
生まれはイギリスの凄く田舎、学校を卒業して都会のロンドンで就職し生活していました。その仕事の合間に、バッグパッカーとして世界中を回っていたんです。
日本・和歌山の田舎で暮らしていることについては『元々田舎生まれだし、都会よりも田舎の方が好きなので合っている』とアレンさんは語ります。
アレンさんのホームページは、こちら http://domer.jugem.jp
工房アレン’s
素敵な家具や作品が沢山アップされていますので、気になる方は覗いてみてください。そして、アレンさんの工房の近くに神社がありましたので、そちらの写真もあげておきます。
丹生神社(にうじんじゃ)
裏山をご神体にしているのでしょう、大きな社殿はないものの目新しい立派な鳥居と狛犬があります。地元の方にしっかりと守られている様子が伺えます。
もとは「丹生七社神社」といわれ、境内には別当寺として、「勝福寺」がありました。しかし、明治6年から「丹生神社」となり、いくつかの建物の存在が記録からなくなっています。
紀美野町観光ホームページにより
丹生神社。調べてみると町内にはいくつかの丹生神社が点在します。
「丹生(にう)」とは水銀のことです。このあたりでは、どうやら水銀が採れていたようです。奈良時代より水銀は、金箔を貼るための材料として使われ珍重されていました。
この丹生神社から、川の方へ200メートルほど下ったところにも丹生神社の鳥居がありました。
御旅所と書かれています。
御旅所(おたびしょ)
御旅所とは、神社の祭礼において神(一般には神体を乗せた神輿)が巡幸の途中で休憩または宿泊する場所、あるいは神幸の目的地をさす。巡幸の道中に複数箇所設けられることもある。御旅所に神輿が着くと御旅所祭が執り行われる。御旅所には神社や祭神にまつわる場所や氏子地域にとって重要な場所が選ばれている。元宮、摂末社や配偶神を祀る神社などのような社殿があるもののほか、元の鎮座地などに臨時の祭殿を設けたり、氏子の代表(頭人)の家に迎える場合などがある。 wikipdiaより
お祭りの時に、ここに山車もしくは神輿が寄るのでしょう。しめ縄も新しいものが飾ってありました。
まとめ
熊野古道もある和歌山。人の往来も昔からある土地でもあり、こうしてイギリスから来た家具職人さんを受け入れる土壌もあったのだと思います。アレンさんと話をしている時、その周りにはアレンさんのお子さん2人が楽しそうに走り回っていました。田舎で一人で家具職人をしていればこそ、家族との豊富な時間を一緒に過ごせるのだと思います。
「人と一緒に仕事しないのですか?」と聞くと、だいぶ渋い顔をしていました。お一人でコツコツやられるのが、アレンさんお好きなようです。
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